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晩秋の冷たい風が吹き抜ける広い草原の中にひとりで長い間立っていた。
辺りには遥か彼方(かなた)まで木の一本も見えやしない。あるのは背丈がひざくらいまでしかない一様な高さの草の生えた草原だけだった。

何時間待っていたことだろう。体には軽い疲労を覚えながらもワタシは微動だにせずただひたすら遠くのほうを見つめていた。

待っていた?果たして何かを予期していたのだろうか。。。

すると遠くのほうからどんよりとした重たい雲、それは積乱雲であった。がゆっくりと近づいてきた。
雲は遠くからでもはっきりとわかる丸っきり季節外れの雷雲だった。
ピンク、紫、緑、黄色・・・雷は様々な艶めかしい色をきらめかせながら、雲はまるでくねくねと生き物のように近づいてきた。

そのうちぽつりぽつりと降り出してきたかと思えば、すぐに案の定のどしゃ降りになった。
激しくザァザァと頭上に降り注ぎ着ていた服は瞬くまにぐっしょりと濡れてしまった。

しかしワタシはそんなことは意に介するもなく一時も目を逸らすまいとただひたすら凝視し興奮しつつ雷雲をじっと見つめていた。

ドドドドーーン、という大音響で心臓が止まってしまうのではないかと思えるほどの衝撃が体中を走り抜けた!だがひれ伏すことなく大きな空の真ん中に一瞬の輝きを放つ綺麗な樹形をした雷を両の眼(まなこ)ではっきりと見た!

あぁ俺はこれを見たくてだだっ広い晩秋の寒空の草原の中、何時間も疲労を苦にせず待ち続けていたのかと覚った。いくら触れようと願っても身を焦がされてしまうことは分かっている。
今はただその姿を脳裏にはっきりと焼き付けることでしか救われない気がした。

あれほど待ち焦がれた雷雲は足早に去って行き、いつの間にか空の雲の切れ間から柔らかな陽光が差し込んでいた。また晴れてしまったのか・・・。残念に思いながらも茫然としたまま誰もいない草原の中濡れた服もそのままにしばらくの間佇んでいた。
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2013.12.03 Tue l 未分類 l COM(0) TB(0) l top ▲

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